「なんでそんな顔なの?」
初めてマヌルネコを見た人の多くが、そう思います。
常に不機嫌そうな表情。
丸くてふわふわの体。
どこか人間くさい“虚無顔”。
しかしマヌルネコは、れっきとした野生ネコ。
中央アジアの厳しい自然環境で生き抜いてきた、たくましい動物です。
この記事では、
- マヌルネコの生態と特徴
- なぜ“あの顔”なのか
- なぜここまで人気なのか
- 保全の現状
- 日本で会える動物園情報
を、最新情報とともに詳しく解説します。
マヌルネコとは?基本情報と生態
マヌルネコ(学名:Otocolobus manul)は、ネコ科に属する小型の野生ネコです。
別名「パラスキャット」とも呼ばれています。

生息地は中央アジアの寒冷地
モンゴル、中国西部、ロシア南部などの寒冷で乾燥した草原や岩場に生息しています。
標高の高い地域に適応しており、単独で生活することがほとんどです。
見た目以上に小柄
- 体長:約50〜65cm
- 体重:約2.5〜5kg
見た目は丸く大きく見えますが、実際は一般的な家猫と大きく変わりません。
密集した長毛が生む“ぬいぐるみ感”
マヌルネコはネコ科の中でも特に毛が長く、密度が高いとされています。
寒冷地で体温を維持するための進化であり、この毛が“もこもこ感”の正体です。
マヌルネコが「かわいい」と言われる5つの魅力

① 常に怒っているような“ムス顔”
目が横向き気味で頬が張っているため、不機嫌そうに見えます。
しかし実際に怒っているわけではありません。
② 丸すぎるフォルム
短い足と長毛によって、雪の上ではまるで毛玉のように見えます。
③ 表情の豊かさ
驚き顔、虚無顔、鋭い目つき…。
写真映えする表情が多く、SNSで拡散されやすい動物です。
④ 野生とのギャップ
見た目はぬいぐるみのようでも、れっきとしたハンター。
小型哺乳類や鳥類を狩ります。
⑤ 動き出すと俊敏
普段は動きが少ない分、走り出すと速い。
このギャップも人気の理由です。
なぜあんな顔?進化が生んだ構造
マヌルネコの“怒り顔”は感情ではなく構造です。

- 横向き気味の目 → 草原で広い視野を確保
- 低い耳 → 外敵から目立ちにくい
- 平たい顔 → 寒冷環境への適応
人間が勝手に「怒っている」と感じているだけなのです。
なぜマヌルネコはここまで人気なのか?
近年、マヌルネコは世界的に人気が高まっています。
感情を読み取りにくい顔は“投影しやすい”
心理学的に、人は感情が曖昧な表情に自分の感情を重ねやすいといわれます。
マヌルネコのムス顔は、その代表例ともいえるでしょう。
ギャップ効果
丸くてかわいい体 × 鋭い目つき
この対比が強い印象を残します。
4月23日は「国際マヌルネコの日」
2019年、マヌルネコ保全同盟(PICA)により、
4月23日が「国際マヌルネコの日」に制定されました。
目的は、
- マヌルネコの保全活動の周知
- 生息環境への理解促進
かわいさの裏には、保護の必要性があるのです。
マヌルネコが直面している環境問題
- 生息地の開発
- 気候変動
- 人間活動による影響
草原環境の変化は、食物連鎖にも影響を与えます。
野生動物としての未来は決して安泰ではありません。
マヌルネコは飼える?ペットにできる?
日本では飼育できません。
ワシントン条約により国際取引は規制され、
専門施設でのみ管理されています。
また、非常に繊細でストレスに弱い動物です。
家庭での飼育には向いていません。
日本でマヌルネコに会える動物園【2025年最新】
現在、日本でマヌルネコに会える主な動物園は以下の8施設です。

- 旭川市旭山動物園(北海道)
- 那須どうぶつ王国(栃木県)
- 埼玉県こども動物自然公園(埼玉県)
- 東京都恩賜上野動物園(東京都)
- 横浜市立野毛山動物園(神奈川県)
- 東山動植物園(愛知県)
- 神戸市立王子動物園(兵庫県)
- 神戸どうぶつ王国(兵庫県)
※展示状況は変更される場合があります。
上野動物園「フィーガ」の移動情報
上野動物園・西園小獣館1階で飼育されている
マヌルネコの「フィーガ」(オス)は、
2025年11月10日(月)に
横浜市立野毛山動物園へ移動予定です。
訪問前は公式発表を確認してください。
動物園でマヌルネコを見るポイント
- 朝や夕方は動きが活発なことがある
- 屋内展示の場合もある
- ガラス越しで見えにくい場合がある
時間帯を工夫すると出会える確率が高まります。
マヌルネコに関するよくある質問(FAQ)
Q. マヌルネコは絶滅危惧種ですか?
地域によって状況は異なりますが、生息環境の変化により保全対象とされています。
Q. 寿命はどのくらい?
飼育下では10年以上生きる例があります。
Q. なつきますか?
野生動物であり、人に慣れる動物ではありません。
Q. なぜ世界一かわいいと言われるの?
ムス顔と丸い体のギャップ、感情投影しやすい表情が理由と考えられます。
まとめ|マヌルネコは“表情で語る”野生ネコ

マヌルネコは、
- 不機嫌そうな顔
- 丸いフォルム
- 厳しい自然で生きる強さ
という独特の魅力を持つ動物です。
かわいいだけでなく、
その背景にある進化や環境問題にも目を向けることで、
より深くこの動物を理解できるでしょう。
動物園で出会えたときは、
その“ムス顔”の奥にある生き方を想像してみてください。

