猫を飼いたい人が増えているのに、なぜ賃貸では難しいの?
近年、猫を飼いたいという人が急増しています。
コロナ禍をきっかけに在宅時間が増え、癒しを求めて「猫 賃貸」「ペット可 賃貸」といった検索ワードも大きく伸びています。しかし、いざ部屋を探し始めてみると、希望に合う「猫OK」の物件は驚くほど少ないことに気づくでしょう。
実際、ペット可とされている物件の多くが「小型犬のみ可」で、猫を飼うことができない場合がほとんどです。猫好きにとっては理不尽に思えるこの現状。なぜ猫がNGなのか、深掘りしてみましょう。
「ペット可」と書かれていても猫NGなことがある
不動産情報サイトで「ペット可」と記載されていると、犬も猫もOKだと思ってしまいがちです。
しかし、実際には「小型犬1匹まで」「要相談(犬のみ)」などの制限があるケースが多く、猫は対象外ということも少なくありません。
猫はしつけが難しいと思われていたり、犬よりも壁や床へのダメージが大きいと考えられたりしており、「ペット可=猫可」とはならない現実があります。物件選びの際には、事前に猫の飼育可否を明確に確認することが非常に重要です。
大家さんが猫を嫌がる理由とは?
猫が賃貸物件で敬遠される最大の理由は、部屋へのダメージリスクです。猫の爪とぎによる壁紙や柱の傷、マーキングによるにおい、抜け毛、そして脱走によるトラブルなど、さまざまな懸念があります。
また、猫は犬と比べて高いところに登る習性があるため、エアコンや棚の上に上がって物を落としたり、傷をつけたりすることも。
さらに「猫アレルギー」の住民とのトラブルも考慮し、大家さんが敬遠するのはある意味合理的な判断とも言えるのです。
猫OKの物件が少ない背景には構造的な問題も
賃貸住宅市場では、古い建物ほど防音・防臭対策が不十分で、動物を飼うことによる影響が大きくなります。
そのため、築年数が古い物件ほどペット不可であることが多いのです。
また、マンション全体で「ペット禁止」とする管理規約がある場合、たとえ一部の部屋のオーナーが猫を許可しても、他の住人とのトラブルを避けるため、猫不可とすることがあります。
このように、物理的・制度的なハードルが猫賃貸には多く存在しているのです。
猫と暮らせる物件を見つけるコツ
猫と暮らせる賃貸を見つけるためには、少しコツが必要です。
まずは「猫可」「ペット相談可(猫)」で検索条件を絞りましょう。一般的な不動産サイトでは見つかりにくい場合、猫専門の賃貸サイト(例:ネコリパ不動産、しっぽ不動産など)を利用するのも有効です。
また、オーナーとの交渉時に「1匹のみ」「完全室内飼い」「爪とぎ対策済み」など、安心して貸せる条件を提示すると、許可が得られる可能性も高まります。ペット飼育に関するマナーやしつけを事前に整えておくことも信頼につながります。
猫と快適に暮らすために確認すべきポイント
猫と暮らすうえで大切なのは、物件自体が猫にとって安全で快適であるかどうかです。
たとえば、網戸や窓の施錠がしっかりしているか、騒音が気にならない構造か、隠れ場所やキャットタワーの設置スペースがあるかなどもチェックしましょう。
また、近くに動物病院やペットショップがあると安心です。住環境が整っていれば、猫もストレスなく生活できるでしょう。
まとめ:猫と暮らす夢をあきらめないで
ペット可の賃貸物件が少ない背景には、大家さんの不安や物件の制約など、さまざまな事情があります。
しかし、近年では「猫可物件」も少しずつ増えてきています。
大切なのは、正しい知識を持ち、根気よく探すこと。条件に合った物件を見つけるには時間がかかるかもしれませんが、「猫と暮らす」という夢をかなえるための第一歩は、物件選びから始まります。