猫が出てくる落語の演題9選

落語には動物が出てくる演題がいくつも存在します。
普段あまり落語に触れたことが無い方も多いと思いますが【猫】が出てくる落語であれば取っつきやすいのではないのでしょうか?
この記事では猫が登場する落語の演題をご紹介していきます。

猫が出てくる落語その1【猫怪談】

三遊亭 圓生

深川の夜、与太郎が枕元で甚兵衛の猫怪談に耳を傾けます。静寂な街に佇む二人。猫の語る不気味な出来事に息を呑むが、その怖さを逆手にとった早桶のおかしさに与太郎は爆笑。深川の風物詩とも言えるこの怪談は、猫の独自の視点から織り交ぜられた奇妙で笑いに溢れた一席。怖さと笑いの絶妙なバランスが、深夜の聴衆を引き込むことでしょう。

猫が出てくる落語その2【猫久】

古今亭志ん朝

長屋に住む八百屋の猫久六はおとなしく「猫」と呼ばれている。ある日、青く変色した猫が家に飛び込み、「相手を殺しちまう」と怒り狂う。奥さんが刀を出す一幕も。与太郎が床屋で猫話を披露すると、誤解した侍が現れ、家庭内ドラマが繰り広げられる。猫の真似事に巻き込まれる熊五郎は笑いと驚きに包まれ、最後には猫がイワシをくわえて姿を消す。滑稽な猫久の一幕は、笑いとユーモアに富んだ不思議なエピソードが絡む、楽しい一席となっています。

猫が出てくる落語その3【猫の恩返し】

笑福亭福笑

八丁堀玉子屋新道に住む魚屋の金さんが博打に手を出し、三両もの借金を抱える。金さんは捨て猫の駒を可愛がり、酒を飲みながら毎晩楽しんでいた。ある日、博打で三両をなくし、夢の中で小判が現れる。翌朝、本当に小判があり、金さんは喜ぶ。しかし、翌日、近所の質屋で金さんの小判が盗まれたことが判明し、番頭は騒動を報告。原因は大晦日に飼っていた駒が死んでいたことが発覚し、金さんは猫の死を嘆く。旦那は金さんに三両の代わりに五両与え、猫を回向院に葬るように頼む。金さんは猫の墓を建て、その後は酒と博打をやめ、魚屋として繁盛するようになり、猫金の店は大成功を収めた。

猫が出てくる落語その4【猫の災難】

柳家小三治

熊五郎は酒欲しさに隣のおかみさんからもらった頭としっぽだけの鯛を、酔っ払った兄貴分に見つかり、嘘を重ねて事態をごまかす。しかし、実はその鯛は隣のおかみさんの猫への病気見舞いであり、騒動が発覚。おかみさんの怒りに晒され、やむなく猫に謝罪するように言われる。熊五郎は泣きながら猫に謝り、兄貴分も怒りが解けて笑い話になる。

猫が出てくる落語その5【猫の皿】

柳家小三治

江戸の道具屋が田舎で掘り出し物を探し、茶店で休息中に高価な梅鉢茶椀を見つけ、猫の皿に使いたいと思う。愛想よく猫を抱きかかえ、茶椀を手に入れようとするが、茶店の爺さんはそれが高麗の梅鉢茶椀であると言い、手放せないと拒む。計画が破綻し、猫に引っ掛かり、小便までかけられてしまう。怒り心頭の道具屋が尋ねると、茶店の爺さんはその茶椀で猫に飯を食べさせると、時折猫が3両で売れることがあると答え、笑い話になる。

猫が出てくる落語その6【猫の忠信(猫忠)】

桂文珍

「猫の忠信」は、稽古仲間の六さんと次郎吉が師匠のお静さんを巡って騒動が巻き起こるおかしみある落語です。六さんは千本桜の端役を引き受けたことに不満を抱き、お静さんが他の男性と親しげにしているのを見て動揺します。次郎吉は彼の悩みを知り、おとわさんの家で次郎吉が独自の計画を立てます。しかし、計画が裏目に出て騒動に発展。最終的には、狐忠信との縁や猫の正体に笑いが巻き起こります。

猫が出てくる落語その7【猫定】

三遊亭圓生

「猫定」は、江戸の八丁堀に住む魚屋・定吉が、賭場での勝ちから猫を飼い始め、その猫の不思議な力を使って大儲けするが、最終的には猫とともに悲劇に見舞われるおかしみある話です。定吉は博打打ちでありながら、猫の力で大成功を収め、猫定と呼ばれるようになります。しかし、彼の死によって猫もまた悲劇の中で死に、最終的には噂話として広まります。定吉と猫の死後、町奉行から金が出て両国の回向院に猫塚が建てられたと伝えられています。

猫が出てくる落語その8【仔猫】

桂文三

「仔猫」は、船場の大問屋にやってきた田舎者の女・お鍋が、見た目はぶさいくだが親切で働き者の女中として活躍する姿を描いた物語です。しかし、ある夜、彼女に怪しい噂が立ち、番頭たちが調査を始めます。夜になるとお鍋は不気味な笑い声を上げ、血まみれの猫の毛皮が見つかります。お鍋は、七つのときに猫に噛まれ、それ以来人様の猫を捕って食べる習慣がついてしまったことを告白します。主人と番頭はお鍋を追い出すことを決意しますが、お鍋は自ら手足を縛って泣きながら留まるよう懇願し、猫の味の虜になった哀れな姿が描かれています。

猫が出てくる落語その9【猫芝居】

桂米助

「猫と金魚」は、金魚の安全を守るため、主人が面白くもやり取りを繰り広げる日常風景を描いた落語です。主人は金魚を隣の猫から守るべく、変わった提案をする番頭に悩まされます。やりとりは次第に混乱し、金魚の置き場所で笑いを誘います。最後には猫との騒動で頭が濡れねずみになり、コミカルな結末を迎えます。落語の中に隠された日常の風景とユーモアが、聴衆を楽しませる要素となっています。