「うちの子が一番かわいい!」「猫のためなら給料日も怖くない!」……そんな現代の「ねこバカ」な皆さま、ご安心ください。その情熱、実は今に始まったことではないんです。
日本人の猫への偏愛は、なんと1000年以上前、平安時代から脈々と受け継がれてきた伝統芸能のようなもの。今回は、私たちがなぜこれほどまでに猫に抗えないのか、その「愛すべき依存の歴史」を覗いてみましょう!
1. 平安貴族は「猫のパパ」だった!?

日本で最初の「ねこバカ」として有名なのは、平安時代の宇多天皇です。彼の記した日記『寛平御記(かんぴょうぎょき)』には、愛猫へのノロケ話がこれでもかと綴られています。
「他の猫より黒くてツヤツヤしている」「歩く姿は雲の上を走るドラゴンのよう」……。現代のSNSのキャプションと全く同じ熱量で、愛猫を褒めちぎっているんです。さらには一条天皇にいたっては、猫に「従五位下(じゅごいのげ)」という位を授け、宮中で貴族として扱ったという伝説まで!
当時、猫は中国から輸入された超高級ペット。「猫を飼っている=ステータス」という以上に、当時の権力者たちは、猫のあの気高くて自由な振る舞いに、心を完全に掌握されていたようです。
2. 江戸の天才絵師・歌川国芳の「猫まみれ」な日常

「日本一のねこバカ」の称号を贈るなら、幕末の浮世絵師、歌川国芳(うたがわ くによし)を置いて他にいません。
彼の描く浮世絵には、擬人化された猫や、猫が寄り集まって文字を作る「猫文字」など、猫への愛が爆発した作品が数多く残されています。しかし、凄いのは作品だけではありません。国芳の私生活は、まさに現代の「多頭飼い崩壊一歩手前」のような状態でした。
- 常に懐に猫: 絵を描く時も、弟子に稽古をつける時も、常に懐(ふところ)に猫を忍ばせていた。
- 猫専用の仏壇: 飼っていた猫が死ぬと、回向院というお寺に葬り、家には猫専用の仏壇を作って位牌を安置していた。
- 猫の家系図: どの猫がいつやってきて、どんな性格だったかを詳細にメモしていた。
国芳にとって猫は「モデル」ではなく「家族」そのもの。彼が描く猫が生き生きとしているのは、24時間365日、猫の観察に命をかけていたからなんですね。
3. 2026年、進化する「ねこバカ」の形

時を経て2026年。私たちの「ねこバカ」っぷりは、テクノロジーの力でさらに加速しています。
かつて国芳が筆で描いた「猫の愛らしさ」は、今やスマホ一台で世界中に拡散されるようになりました。AIが愛猫の鳴き声を翻訳し、「お腹が空いた」ではなく「大好きだよ」と言っていると信じて(あるいは翻訳機にそう言わせて)喜ぶ飼い主たち。猫の健康を守るために、月額サブスクリプションで24時間医師と繋がるサービスを利用するのも、現代の「ねこバカ」の新しい形です。
江戸時代にはネズミ除けの守り神として重宝された猫ですが、現代では「ストレス社会を生き抜くための守り神」へと役割を変えました。猫が膝に乗るだけで、一日の疲れが溶けていく……。この魔法にかかっている日本人は、2026年現在、推定飼育数約900万頭分以上もいると言われています。
まとめ:私たちは、猫に選ばれている
平安の貴族も、江戸の絵師も、そしてスマホを握る私たちも、結局のところ猫の「可愛さという名の暴力」に屈しているだけなのかもしれません。
でも、それでいいんです。猫を愛でることは、日本の文化そのもの。猫に振り回される日常こそが、実は一番贅沢で幸せな時間なのですから。
さあ、この記事を読み終えたら、まずは目の前の「愛しき神様」に最高級のおやつを献上しましょう。1000年前の天皇と同じように、私たちも誇り高き「ねこバカ」として、今日も猫に仕えていこうではありませんか!
